FutureStandard MAKERS

東京にある映像解析プラットフォーム「SCORER」の開発をしているスタートアップのブログです

SCORER Update 2.0から3.0+3.1+3.2の差分ガイド 第1部

今回は、SCORER のアップデート情報をお届け致します。本ブログではバージョン2.0からバージョン3.0+3.1+3.2のアップデート情報を記載しています。

 【アップデートの日付】

  • Update 3.0のリリース日は2017年6月13日
  • Update 3.1のリリース日は2017年7月27日
  • Update 3.2のリリース日は2017年8月7日

【使用するSDKのイメージファイル】 

http://downloads.scorer.jp/sdk.html からダウンロードが可能です。ダウンロードされるファイルは”scorer-starter-kit-for-rp3_2017-07-27r2.zip”です。

Update 2.0から3.0+3.1+3.2との差分は以下のとおりです:

  1. SCORER全体の性能向上/安定化/バグ修正
  2. その他の追加機能
  3. SCORER Starter(以下、SS)へ機能追加/利便性向上
  4. SCORER Camera Control(以下、SCC)へ機能追加/利便性向上/問題可決
  5. SCORER Mangement Console(以下、SMC)へ機能追加

この第1部では、上記で挙げた1・2・3についてお伝えします。

1.SCORER全体の性能向上/安定化/バグ修正

SCORERの性能向上・安定化、及びバグ修正は以下のとおりです:

 ラズパイの安定化

  • リソースバランスを見直し、メモリ枯渇等が発生しにくくなり、全体の安定化が図られました
  • 複数ラズパイ間でのMicroSD 共有時の利便性向上
  • 本リリースから1枚のSDK入りのMicroSDを複数台のラズパイで共有が出来るようになりました。1台目のクラウド登録の解除せずに別のラズパイにMicroSDを挿入してそのまま使用出来ます
  • 内部チューニングにより処理負荷の高い HD 画像の録画・配信がより安定しました
  • SCORER Starter デバイス一覧表示の高速化 

2.その他の機能追加

 概要のみの解説ですが以下の機能が追加されました:

  •  Hubot のプレインストール
  • 今後はHubotをSDKからSlack などのチャットツールと連携して、ラズパイの遠隔操作が可能になります。今後、SDK のサンプルコードの提供を予定しています
  • SCORER Drviceのリリース
  • 最大1年分の映像を保管できる課金制オプション機能を搭載しました。課金プランに契約頂けると容量無制限での利用が可能になります。詳細はSCORER Drive(http://drive.scorer.jp/)のページを御覧ください

 端末引き継ぎ機能実装

  • 以前は、ラズパイをSMCにて初期化(*)した際に以前の映像データは削除されていました。本リリースから、SMCにて初期化後にSSにてデバイス再登録しても以前のデータがSMCから削除されずにそのまま残りデータを引き継ぐ事が出来ます

 * SMCにて初期化方法は以下のとおりです:

  1. SMC画面にて初期化したいデバイスのスナップショットをクリックして拡大画面を表示して右下のゴミ箱マークをクリック
  2. Confirmウィンドウにて”DELETE"をクリック

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 3. SCORER Starterへ機能追加/利便性向上

本アップデートによるSS上の機能追加・利便性向上の内容は以下のとおりです:

 --機能追加--

 課金機能

  • 第2節で触れた課金プランに契約頂くとSOCORE Driveの使用が可能となります
  • 課金画面は以下の操作にて遷移出来ます:
  1. SSに「ログイン」後に「デバイス一覧」画面にて設定ボタンをタップ

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 2. 下記の画面に遷移します。こちらで「アイテム課金」をタップ

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  • 課金プランの契約方法等は別の機会にお伝えする予定です

 固定IPアドレスの設定

  • 有線LANに限りますが、デバイス登録する際にラズパイに固定IPアドレスの設定が出来るようになりました。
  • 設定方法は以下のとおりです(お使いのラズパイがSS未登録、且つ、BLE接続が確立されている必要があります):
  1.  SSに「ログイン」後に「デバイス一覧」画面にて指定のラズパイをタップ
  2. 「メニュー」画面にて「ネットワークに接続」をタップ
  3. 「ネットワークに接続」画面に遷移したら、”有線LAN接続”をタップ

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  4.LANケーブルがラズパイに接続されているのを確認し、”固定IPアドレス”をタップ

  f:id:FutureStandard:20170926124839p:plain

  5.「固定IPアドレス設定」画面にて右下の”+”をタップ

  f:id:FutureStandard:20170926125003p:plain

  6.遷移先の画面にて”Interface”、”IP address”、”Router”、”DNS”にそれぞれ入力   後、”作成”をタップ

  f:id:FutureStandard:20170926125426p:plain

7.「固定IPアドレス設定」画面に入力した固定IPアドレスが表示されていることを確認

    f:id:FutureStandard:20170926125638p:plain

  • SCORER Starter にてSSID 優先順位の設定
  • バイス登録前に接続するネットワークを複数登録して優先順位を設定出来るようになりました
  • 設定方法は以下のとおりです(お使いのラズパイがSS未登録である必要があります):
  1. SSに「ログイン」後に「デバイス一覧」画面にて指定のラズパイをタップ
  2. 「メニュー」画面にて「ネットワークに接続」をタップ
  3. 「ネットワークに接続」画面に遷移されたら、”Wifi 接続”をタップ f:id:FutureStandard:20170926125735p:plain

 4. 「登録済Wifi一覧」画面にて右下の”+”をタップしてWifiを登録

    f:id:FutureStandard:20170926125817p:plain

 5.  遷移先の画面にて”ssid”、”psk”、”key_mgmtr”にそれぞれ入力後に”作成”をタップ。他の項目はオプションなので必要に応じて入力。なお、下の画面はスクリーンショット合成して全体の項目が見える形にしました

  f:id:FutureStandard:20170926125904p:plain

6. 「登録済Wifi一覧」画面に入力したWifiSSIDが表示されていることを確認 

    f:id:FutureStandard:20170926130105p:plain

7. 画面右上の”Editをタップして優先順位を変更。変更を有効にするには”Done”をタップ

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  • バイス名の登録機能追
    バイス登録時に、ニックネームを入力できるようになりました。SMCにてカメラ・ラズパイを識別が容易になります。デバイス登録時に自動的に下記の画面が出ます。任意のデバイス名を入力して下さい

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 上記にて登録したデバイス名がSMCにて表示されているのが確認出来ます

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 -ー利便性向上-ー

  • SSのバージョン1.4.0以降から ラズパイに SSID を設定する際 に自動的に"country=JP" を付与されるようになりました。これによりラズパイ内部の Wifi アンテナの周波数帯が、国内基準に合致するようになります

 scorer_config.txtに以下の2行が追記されます:

 [wpa_supplicant.conf R:1]

country=JP

  -ー問題可決-ー

  •  SSのバージョン1.4.1以前にラズパイへのシャットダウン/再起動(*)を実行の際にアプリがクラッシュする問題を解決しました。

 *SS上でシャットダウン/再起動方法は以下のとおりです

  • バイス一覧のリストからシャットダウン/再起動を行いたいデバイスBluetoothアイコンをタップし「メニュー画面」へ遷移します

       f:id:FutureStandard:20170926130506p:plain

  •  「メニュー」画面にて右上の電源アイコンをタップ  f:id:FutureStandard:20170926130536p:plain

 

  • Raspberry Piの終了」メッセージが出るのでシャットダウンか再起動をタップ

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  • 新規アカウントを作成する際に実在しないメールアドレスにて登録を行う等、なんらかの理由で認証コードを受け取れなかった場合でも、認証コードを再送して登録手続きでつまずく事が無くなりました

本ブログに目を通して頂きありがとうございました。残りの分は、「SCORER Update 2.0から3.0 + 3.1+3.2の差分ガイド 第2部」に続きます。第2部ではSCCとSMCの機能追加を説明します。